感動の香りの物語~終戦記念日に伝えたい「香水」の物語~

お香講座

香りに託された祈り:終戦記念日に伝えたい「武士と香水」の物語

戦後80年を経た今、終戦記念日を前に、
歴史の記憶だけでなく、人としての「思いやり」や
「誇り」にも心を寄せたいと感じます。

今回は、香司として、
そしてお香パフューマーⓇ創始者として
ぜひ伝えたい!!!

前田利貴陸軍大尉による香りに込められた
深い感動の物語をご紹介します。


前田利貴陸軍大尉とは?

前田利貴(まえだ としたか1917-1948)は、
加賀前田家分家の前田男爵家に生まれ、
学習院・法政大学を経て三井物産に勤務したエリートでした。
馬術の腕前にも優れ、オリンピック候補にも
名前が挙がるほどの才人だったと伝えられています。

しかし、終戦後にインドネシア・ティモール島
クーパンに収容され、戦犯裁判の末、
1948年9月9日に処刑を受けました。


死の前日、「最後の希望」に込めた香水

処刑の前日、前田大尉は検事に対して以下の5つの“最後の希望”を申し出ました。

  1. 目隠しをせぬこと
  2. 手を縛らぬこと
  3. 国家奉唱、陛下の万歳三唱
  4. 古武士の髪に香をき込んだように香水一瓶(これは死体を処理する者への私個人の心づかいであります)
  5. 遺体・遺髪の送付

これらすべてが承認されました。

特に「香水一瓶」は、
自分のためではなく、死を迎えるその後に
身体を扱う方々への「思いやり」として
香りを選ぶという、この上ない
慈悲深さが感じられます。


お香パフューマーⓇとして見つめる香りの意味

香司の視点から、
そしてお香パフューマーⓇとして
このエピソードは香りの持つ力を
改めて教えてくれます。

  • 香りは言葉を超えるメッセージ
    感謝や敬意を、静かに伝える手段としての香り。
  • 伝統と現代への問いかけ
    古武士の習わし「香をき込む行為」を、
    香水という現代的な形で表現した美意識。
  • 極限における他者への気づかい
    死の直前であっても他者を思いやる心の強さ


「鎮魂の香り」を調香するなら

このエピソードの香りを現代に再現するならば、以下の調香をおすすめします:

  • 白檀(サンダルウッド)
    静謐さと鎮魂の響き
  • 沈香
    深みと祈りの余韻
  • ローズ
    優しさと慈愛の表現そして
    精神を落ち着かせる効果

「鎮魂の香り」のイメージで
今度お香パフュームをつくってみたいと思います。


お香パフューマーⓇ 椎名まさえより

私は、香司としてそして、
お香パフューマーⓇ創始者として
「香りが持つ無言の祈り」を、
より多くの方に届けたいと願っています。

前田大尉の物語にはまさに、
その精神が込められていると感じました。


この感動の香りの物語は
YouTube動画「武士と香り」で配信しています!
https://www.youtube.com/watch?v=yYGL0dHFHYQ

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